< 新鮮な食材選び >

 燻製の食材となるものはいろいろあるが、共通していることは新鮮な素材を選ぶことだ。
燻製は、高温で加熱する熱燻は別として、80度が上限の温燻、30度が上限の冷燻などは加熱による殺菌効果はのぞめない。そのため鮮度のよい食材を手早く下ごしらえする必要がある。

● 魚の目利きチェック

  ・ 目   : 目が澄んでつやのあるものを選ぶ。濁ったものは古くなっている。
  ・ エラ  : エラがみずみずしく、明るくきれいな色。黒ずんでいるものは避ける。
  ・ 姿形 : 姿形が整って表面に光沢があり、腹に張りがあるもの。
  ・ 表面 : 表面に傷が無いかウロコは落ちてないか確認。川魚はぬめりが強いものを選ぶ。
  ・ 匂い : 新鮮な魚は生臭さを感じない。

● 肉の目利きチェック

  ・ 全体 : 肉全体に張りとツヤがあり、脂肪部分は純白で溶け出していないものを選ぶ。
  ・ 色   : 鮮度のよい豚肉は、赤身部分はピンク色、脂肪部分は白色のもの。
         鮮度が落ちると赤身
         部分は 灰色、脂肪部分は黄色がかったものになる。
  ・ レバ : ツヤがあり、色がよく、傷のないものを選ぶ。
  ・ タン  : 指で押してはねかえるような弾力があり、色も鮮やかな赤いもの。

< 下ごしらえ >

 燻製造りは、高温で加熱する熱燻を除き、冷燻と温燻は加熱による殺菌効果をのぞめないので、下ごしらえ中に食材を少しでも劣化させない事が必要である。
そのためには、手の温度でも食材に伝わり食材をいためるため、無駄な動きをせず、手早く下ごしらえする。

● 魚の場合
 
 丸ごと燻製するなら、エラをのぞき、ハラワタを抜く。
  大きな魚や、丸ごと燻製にしない場合は3枚におろす。


● 肉の場合
 
 余分な脂肪や骨、筋、皮などを取除く。
  肉を切るときには、筋にそってカットする。
  肉に香辛料を染み込ます場合は、金串や肉刺し器で肉刺しをする。

< 塩漬け >


 塩漬けは燻製造りに欠かせない工程で、食材に塩味を染み込ませる以外にも殺菌効果を期待して行うものですが、塩自体に殺菌効果があるわけでなく、むしろ塩によって食材中の水分を奪うことによる効果が大きい。
 塩漬けをしたからといって、菌が完全に死んだのではなく、あくまでも菌の繁殖を抑制しただけです。そのため、 塩漬けをしたからいつまでも食材が痛まないと思うのは誤りです。
 塩漬けだけで菌の繁殖を抑えることではなくてスパイスや乾燥、燻煙などの工程を経ることによって、より保存性を高めています。 塩漬けには2通りあって食材に塩を直接すり込む「ふり塩法」と、食材を食塩水に浸す「ソミュール法」があります。

● ふり塩法

 直接食材に塩をすり込むため、脱水作用が強い。ソミュール法に比べると少量の塩でも浸透性が高く脱水が早く保存性も高いため肉の燻製に向いている。ただし、食材に均一に浸透させるためにはムラなく丁寧にすり込むことが必要となる。塩だけでなく香りづけにハーブとともにすり込めば、肉の強い臭みを抜く効果は高まる。

● ソミュール法

 食材を10〜15%の食塩水に漬け込む方法で、直接塩を手ですり込むのに不向きなものにむいている。  たとえば手で塩をすり込むと身がくずれてしまうものに適している。
 このソミュール液漬けた食材は、塩分が均一に浸透するため仕上がりの失敗もなくなる。しかも、食材が塩漬け中に空気に触れることがないので脂肪分が酸化によって変質しないことも利点となる。
  ソミュール液の作り方は、水1Lに対して食塩を100〜150g、香味野菜(にんじん、たまねぎ、セロリ)、ハーブなどの香辛料を適量用意し、深めの鍋で水を弱火で加熱しながら、香味野菜と香辛料と塩を入れてゆっくり沸騰させてアクをすくいながら煮込む。その後、常温まで冷やしてから冷蔵庫で冷やし、食材を漬け込む。

< 塩抜き >

 時間をかけて塩漬けしたものを塩抜きするのは、はじめから適量の塩で漬けると中まで浸透しなかったり、ムラが出てしまうため、多めの塩で十分な塩漬けを行ない、塩漬けのあとで余分な塩をとり除くことで、塩の量を調整する。
 塩漬した食材を軽く水洗いして、流水やため水で塩抜きを行う。しっかり塩抜きが必要な場合は、ボール等にためた水に塩漬けした食材を入れて水道水を細くながしっぱなしにして塩抜きを行う。このとき、流水が直接食材にあたると、そこだけがむらになるため、食材はしっかりと水に漬け込むようにする。塩抜きが少なくてすむ場合は、大きめの容器に食材と水をたっぷり入れて塩抜きを行う。このとき、何回か水を取り替えるようにする。

< 乾燥 >

 食材の水分をさらに減らし保存性を高めることと、燻煙のかかりをよくしきれいに仕上げるためである。
この乾燥がしっかり行われていないと、保存や燻煙のかかりがよくなかったり、スモーカー内で肉や魚をつるした時に肉切れをおこし落ちてしまうこともある。
 外が雨でじめじめしていない限り、外の空気に当てて干したほうがよいが、乾燥工程では鳥や猫による思わぬトラブルがある。十分な対策を必要とする。また、外で干す場合は、直射日光を避けて日陰で行ない、食材の表面が乾いたら完了。 家庭の冷蔵庫で乾燥させるときには、網にのせてラップせずに入れておけばよい。 

< 燻煙 >

 いよいよ「燻煙」をかける工程となります。この燻煙は、食材を煙で燻すことにより、食材の防腐効果、殺菌効果、そして燻製独特の香りを引き出すことです。ここで行う燻煙は、温度管理によりる燻煙法として、冷燻、温燻、熱燻と3通りの方法があります。各燻煙法での特徴等は別の項目で明記しましたので参考にしてください。
 ここで大切なことは、食材を燻すためのスモーカー内の徹底した温度管理と、スモーカー内に継続して安定した燻煙を発生させることに尽きます。 また、燻煙もスモークチップ、スモークウッド、香辛料・ハーブ・ザラメなどでオリジナルな香りや色づけもこの工程で決まります。
そのためには、スモーカー内の温度、燻煙の状況などに絶えず気を配る必要がありますが、この工程が一番燻製しているなと感じ、燻製を楽しむときでもあります。 

< 熟成 >

 燻煙した食材をさらに外の風通しのよい日陰や冷蔵庫で乾燥させると燻製が出来上がります。温燻の場合は2時間ほどで、煙のえぐみをとり、風味がマイルドになります。冷燻の場合は、乾燥とうまみを出すために長期間熟成させます。熟成が終わると、やっと手造りの燻製を堪能することができます。
 

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